善意がハラスメントになるとき
〜OJTで起きた実例と学び〜
― メンタルフォローと業務フォローの線引きができなかった結果 ―
職場でのハラスメントは、
怒鳴る・叱責するといった分かりやすいものだけではありません。
善意で行った指導やフォローが、
相手の受け取り方次第で「ハラスメント」と認識されることもあります。
今回は、私自身がOJTを担当した中で実際に起きた出来事をもとに、
- なぜこのような事態に至ったのか
- どこに注意すべきだったのか
を振り返ります。
① 背景:おせっかいなOJTが始まった理由
- 人手が少ない職場だった
- 新しく来た人が不安が強く、質問が多かった
- 私自身が「困っている人を放っておけない性格」だった
業務だけでなく、
不安を和らげるための声かけや気持ちのフォローまで行うようになり、
結果として業務+メンタルの両方を支える役割になっていきました。
② 問題の芽:頼られる関係が生んだ歪み
次第に、
- 何かあるたびに私に確認する
- 判断を自分でせず、安心を求める
- 「どう思いますか?」「間違えたらどうなりますか?」という質問が増える
という状態になりました。
この時点で、
教える側と教えられる側のバランスは崩れていたと思います。
③ 一線を引いた理由
このままでは本人の成長にもならず、
自分自身も消耗すると感じ、
- 業務はマニュアルに沿って淡々と
- 感情面のフォローは最小限に
と意識して距離を取りました。
これは「突き放した」のではなく、
本来あるべき業務の形に戻したつもりでした。
④ 相手の受け取り方:不安の強さが生んだすれ違い
しかし相手は、この距離の取り方を、
- 急に冷たくなった
- 嫌われた
- 裏切られた
と受け取りました。
もともと不安が非常に強く、業務を進める中でも、
- まだ起きていないミスを過度に心配する
- 細かい点まで事前に確認しないと不安になる
- 「間違えたらどうなりますか」「その場合はどうするんですか」と
先回りした質問を繰り返す
といった傾向がありました。
また、
- 手順がうまく理解できないと「マニュアルが分かりにくい」
- 思うようにできないと「きちんと教えてもらっていない」
と、原因を自分以外に求める発言が増え、
確認や質問の仕方も次第に詰めるような口調になっていきました。
そのような中で、
業務を整理し、マニュアルに沿って淡々と指導する姿勢に切り替えたことで、
- 感情を込めて教えてくれなくなった
- 冷たい
- 高圧的
と受け取られるようになりました。
結果として、
業務上の指導そのものよりも
**「どう言われたか」「どう感じたか」**が前面に出るようになり、
最終的に「ハラスメント」という言葉が使われることになりました。
⑤ ハラスメントが申し出られたあとの現実
まず、
「ハラスメントです」と本人が申し出たことを受けて、
職場では事実確認のため、
- 管理職と本人が個別に面談
が行われました。
そこで「何があったのか」「どう感じたのか」を
本人から聞き取ります。
その後、
私が事情聴取として呼ばれました。
このときは、
- 職場の管理職
- 派遣会社の担当者
- 私
の3人で話をしました。
正直に言うと、
管理職も派遣会社の担当者も終始真顔で、
一切感情を交えませんでした。
責められているわけではないのに、
空気はとても張りつめていて、
「ハラスメントって、会社では本当に厳しく扱われるんだ」
と、肌で感じた瞬間でした。
⑥ ハラスメントの事情聴取で大切だったこと
事情聴取では、
「自分がどう思っているか」よりも、
- 何を
- どのように
- どの手順で
伝えたかという事実が重視されます。
私が意識したことは次の点です。
① 感情を交えず、事実だけを説明する
- マニュアルに沿って説明したこと
- どの工程まで進んでいたか
- どういう言葉を使ったか
を、淡々と説明しました。
② 相手がそう感じた理由を考える
自分に悪意はなくても、
- 不安が強い相手にとって
- 言葉が強く聞こえた可能性
は否定できません。
③ 原因が自分にある部分は素直に謝罪する
冷静に振り返り、
- 配慮が足りなかった点
- 繊細な相手への伝え方
については、
相手をそう感じさせてしまった点については申し訳なかった
と、自分に原因がある部分は認めて謝罪しました。
これは全面的に非を認めるという意味ではなく、
事実として整理するための姿勢です。
④ 正当化しすぎない
相手の性格や問題点を指摘することは、
たとえ事実であっても控えました。
事情聴取で大切なのは、
- 再発防止
- 現場をこれ以上こじらせないこと
だと感じたからです。
結果として、
「意図的なハラスメントではないが、
相手がそう感じた可能性はあるため注意が必要」
という整理になりました。
⑦ 学び① 善意とハラスメントは無関係ではない
この経験で学んだのは、
- 善意であっても
- 正しいことを言っていても
- 業務上必要な指導でも
相手が「攻撃された」と感じれば
問題になる時代だということです。
⑧ 学び② メンタルフォローは業務ではない
特に強く感じたのは、
- 不安の処理
- 感情の安定
- 安心させる役割
これらは、
同僚やOJT担当者の仕事ではないということ。
業務と感情を一緒に引き受けると、
必ずどこかで無理が生じます。
⑨ 学び③ 自分を守るためにできること
同じような立場の人に伝えたいのは、次の点です。
- 教える内容は必ずマニュアル・手順に沿う
- 判断や安心を代わりに引き受けない
- 個人的な相談に踏み込みすぎない
- 距離を取ることは冷たさではなく「線引き」
⑩ まとめ
今回の出来事は、
私にとって苦い経験でしたが、同時に
ハラスメントという言葉の重さと難しさを、現実として学ぶ機会にもなりました。
誰でも、
教える側・支える側になった瞬間から、
意図せずハラスメントの当事者になり得ます。
だからこそ、
「いい人でいよう」とするよりも、
「自分の役割を守る」ことのほうが、
結果的に自分と相手、両方を守るのだと感じました。
今回、
「まさか自分がハラスメント?」という出来事が、
突然の事故のように起こり、正直、精神的なダメージは大きかったです。
それでも振り返ってみると、
色々あった人生に、また一つ貴重な経験が加わりました。
自分のステージが、また一段上がったようにも感じています。
精神的には決して楽な出来事ではありませんでしたが、
この経験を通じて得た学びに、そして関わった相手にも、
今は感謝の気持ちを持っています。
これからも、
自分を守りながら、人生を笑って過ごしていきたいと思います。
この経験が、
同じ立場にいる誰かの参考になれば幸いです。
えむでした🙋♀️
✨おまけコーナー📹
ハラスメントで心が消耗していた時に、何度も聴いていた、ちゃんみなさんの 「i love you」
この曲は、ちゃんみなさんが娘さんに向けて書いた楽曲。MVは娘さんの目線で描かれていて、母としてのちゃんみなさんの愛情が、静かに伝わってきます。
心がすり減ったとき、そっと包み込んでくれるような、あたたかい一曲です🎧
※動画はYouTube公式チャンネルより引用しています

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